
交通事故に遭った場合は、まず警察へ届け出を行いましょう。事故証明の発行にはこの手続きが必要です。
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交通事故は、誰にとっても突然の出来事です。外見に大きなけががなくても油断できません。筋肉や靱帯(じんたい)、神経にダメージを受けていると、数日経ってから痛みやしびれなどの症状が出ることがあります。事故直後は軽い症状だけの場合でも、整形外科で一度きちんと診察を受けていただくことが早期の回復につながります。
事故直後は緊張や興奮により痛みを感じにくい状態になります。そのため「そのときは平気でも、数日後からつらくなる」というケースは珍しくありません。
代表的な症状をご紹介します。
なお、お子さんや高齢の方では、周りの方に不調を伝えるのが難しいケースもあります。周りの方が気づくきっかけとして多いのが、お子さんでは「遊んでいる途中で痛がる」「いつもより不機嫌になる」、高齢の方では「動くとすぐに疲れる」「食欲が落ちる」といった様子です。事故後にそのような様子が見られましたら、早めにご相談ください。
交通事故で特に多いのが「むちうち」です。衝撃で首に大きな負担がかかり、筋肉や靱帯(じんたい)が傷つくことで痛みが出ます。骨折がなくても起こるため、事故後の代表的な不調のひとつとして、注意が必要です。

「少し痛いだけ」と受診を先延ばしにすると、不調が長引くおそれがあります。特に、高齢の方では回復に時間がかかることが多いため、早めの受診が大切です。
交通事故後の不調を正しく診断するには、検査が欠かせません。外見上に異常がなくても、身体の奥で筋肉や靱帯が損傷していることがあります。
下記の検査を組み合わせて行うことで、事故との関連性を明らかにし、適切な治療方針を立てます。
骨折や骨の異常を確認できます。ただし、筋肉・神経の損傷は写りません。むちうち症などの診断は難しいため、必要に応じてMRI検査を追加して行うことがあります。
レントゲンでは写らない筋肉や靱帯、腱などの軟部組織の損傷、内出血、炎症を確認できます。捻挫、打撲などの診断に有用です。放射線被爆がありません。レントゲン検査とセットで行うことが多いです。
レントゲンでは分からない軟部組織の損傷や椎間板・神経の圧迫、ヘルニアなどの状態を詳しく確認することができます。むち打ち症や椎間板ヘルニアなど、しびれ・強い痛みがある場合に有用です。また、後遺症が残る可能性を判断する際にも役立ちます。
※提携検査機関をご紹介します。当院で検査予約ができるため、最短で当日検査も可能です。
X線を使って、身体を輪切りに撮影します。骨折や急性出血などの発見に優れています。撮影時間が短く済むので、交通事故によるケガでは頭部外傷の際に行われることが多いです。
※当院は顔面・頭のケガは専門外となります。交通事故で頭部を強く打っている場合には、専門の医療機関をご紹介します。
交通事故後の症状には、まず「痛みや炎症を和らげること」が大切です。
当院では、患者さまの状態に合わせて以下の方法を組み合わせて行います。
症状が出始めた段階では、身体に負担の少ない方法を中心に行います。消炎鎮痛薬や湿布で炎症・痛みを抑えるほか、必要に応じてコルセットなどの装具を使って患部を安定させます。症状に応じて、動かし方や日常生活で気をつける点についてもお伝えします。

痛みが強い場合には、ブロック注射を行うこともあります。神経やその周囲に麻酔薬を注射することで、強い痛みを一時的に抑えます。薬だけでは十分に効果が得られない場合、生活に大きく支障が出ている場合などに検討します。
痛みが落ち着いてきたら、再発予防や日常生活への復帰を目指した治療として、リハビリを行います。リハビリは単に症状を改善するだけでなく、事故前の生活に戻るための大切なステップです。
当院では、年齢や生活背景に合わせて、リハビリ内容を調整しています。
ストレッチや筋力トレーニングを行い、関節や筋肉の働きを整えます。
温熱や電気などを利用して、痛み・こわばりを和らげます。
当院では、「フィジオ5D*1」を導入しており、広範囲の痛みにも対応しています。
*1 フィジオ5D: 痛みの軽減が期待できる干渉波療法や筋力の向上を目的としたEMSを行うことが可能な治療器。

医師や理学療法士が、座り方や立ち上がり方、荷物の持ち方など日常生活の中で身体に負担をかけない工夫をお伝えします。
治療やリハビリで症状が落ち着いても、生活習慣・体の使い方によって再び不調が出ることがあります。首や腰などの痛みだけでなく、しびれ・こわばりといった症状が長引くこともあるため、日常の中で体に負担をかけない工夫が大切です。
こうした習慣は治療の効果を高めるだけでなく、事故後の不調の再発防止にも役立ちます。
交通事故の治療には状況に応じて、以下の保険を利用できます。
自賠責保険や労災保険を利用して受診される場合には、受付にその旨をお申し出ください。
詳しくは労災・自賠責ページをご覧ください
交通事故に遭われた後、当院を受診されるまでのおおまかな流れをご紹介します。

交通事故に遭った場合は、まず警察へ届け出を行いましょう。事故証明の発行にはこの手続きが必要です。

ご自身または相手方の加入している自賠責保険・任意保険会社に連絡してください。今後の治療費の扱いや手続きに必要となります。その際、当院の連絡先をあらかじめ伝えておくと、その後の手続きがスムーズに進みやすいです。
<当院の連絡先>
国分寺整形外科リハビリクリニック
東京都国分寺市南町3丁目18-14 天下ビル3階、4階
042-316-8825

受付で「交通事故による受診」であることをお伝えください。医師が症状を確認し、必要な検査を行ったうえで治療方針をご説明します。その後は、薬や装具による治療やリハビリなどを組み合わせて進めていきます。なお、診断書や各種書類の発行も対応しています。
はい。症状が出るまで時間がかかることは珍しくありません。ただし、受診があまりにも遅れると事故との関係が分かりにくくなり、診断書や保険の手続きに影響が出ることがあります。気になる症状が出たら、できるだけ早めに整形外科を受診してください。
整骨院・接骨院では、診断書の作成やレントゲン・MRIなどの画像検査は行えません。交通事故の補償を受けるには、医学的な診断や経過の記録が必要となるため、まず整形外科を受診していただくことが重要です。
個人の症状や回復のスピードによって異なります。数週間で改善する方もいれば、数か月かかる方もいます。痛みの改善だけでなく、再発予防や機能回復のために一定期間リハビリを続けることも大切なので、医師と相談しながら通院計画を立てていきましょう。
むちうちは、医学的には「頚椎捻挫(けいついねんざ)」と呼ばれ、追突事故などで首に強い衝撃が加わったときに起こるケガです。首の痛みのほか、頭痛・めまい・手のしびれなど全身に症状が広がることがあります。レントゲンでは異常が写らないことも多く、必要に応じてMRIやエコー検査を行い、症状に合わせて治療やリハビリを進めます。
交通事故は突然のことであり、大きなけががなくても体に負担を残すことがあります。当院では、痛みを和らげるだけでなく、その原因に応じた治療と、再発を防ぐためのリハビリに力を入れています。保存療法(切らずに治す方法)を基本に、患者さまの生活背景や年代に合わせた方法をご提案しています。幅広い世代が暮らす国分寺で、皆さまが健やかに過ごせるよう、スタッフ一同取り組んでまいります。どうぞお気軽にご相談ください。